わかりやすい言葉と普遍的なメッセージで、時代を問わず多くの人たちに愛されてきた児童文学。
映像化された作品も多く、深く考えさせられる内容が多いのが特徴です。
大人になると、読む機会がなかなかないものですが、実は大人の方にこそ読んでほしい作品がたくさんあります。
近年は、大人の方でも児童文学を楽しむ人が増えてきているそうですが、今回は、そんな児童文学の魅力とおすすめ作品を紹介します。
児童文学の魅力とは
児童文学とは、一般的には子どものために書かれた本のことを指します。小さい子を対象にした絵本から、挿絵が入った物語、10代を対象にした読みやすい文学作品まで、幅広い作品が存在します。
これだけを聞くと、子どもだけが読むものというイメージがあるかもしれませんが、大人だからといって児童文学を読んではいけないということは全くありません。
むしろ日々の忙しさやストレスなどで、童心や大切なものを見失いがちな大人こそ、読むべき本と言えるかもしれません。
児童文学は子どもでも理解できるような、わかりやすくてシンプルな言葉と物語になっています。
シンプルだからこそ奥が深く、すごく考えさせられたり、子どもの頃に読んだときとは違う印象を抱くこともあります。経験を積んだ大人だからこそ新たな魅力を再発見できたり、心に刺さる作品は多いのです。
また児童文学作品には、成長や友情、勇気など誰もが共感できるものや、当時の社会を風刺したもの、異文化交流や家庭問題、LGBTQにいたるまで、さまざまなテーマが存在します。
現代にも通じる題材や普遍的なテーマから、ハッとさせられたり、学べることも多いのではないでしょうか。
そして何より、児童文学を読むことで童心にかえることができます。心を和ませ、リラックスすることでストレスの軽減にもつながりますし、心の栄養をチャージできるのです。
大人の方も楽しめる!海外児童文学のおすすめ小説16選
そんな魅力いっぱいの海外児童文学の名作たちを、今回は16冊選びました。
どれも有名な作品ばかりなので、初めて読む方も、小さい頃に読んだことがある方でも楽しめると思います。あらためて読んで気づくことがたくさんあるのではないでしょうか。
それでは紹介していきます。
不思議の国のアリス
海外児童文学といえばまず挙げたいのがこの作品で、ディズニーで映像化もされているので知っている方も多いのではないでしょうか。子どもの頃に想像をふくらませたこの不思議な物語は、大人になって読んでもユーモアたっぷりのワンダーランドです。韻を踏む言葉遊びもたくさんあるので、原書でどのように書かれているのかをチェックしてみるのもおすすめです!
星の王子さま
こちらも児童文学の名作中の名作ですね。フランス人飛行士のサン=テグジュペリによって作られたこの本は、読んでいるうちに心が洗われるような、人生の大切なことを教えてくれる宝物のような物語です。心に刺さる名言が本当にたくさん散りばめられているので、日々の生活で消耗している方に特におすすめしたい1冊です!
モモ
ドイツの作家、ミヒャエル・エンデの作品で、世界中で愛されている物語です。時間をテーマに、主人公モモと時間泥棒との戦いが描かれています。やさしいお話が繰り広げられますが、日々忙しく生きる大人たちに問いかけるものがあります。タイパが重視される現代で、有意義な時間の使い方をあらためて考えさせてくれる1冊です。
赤毛のアン
女の子のバイブル的存在ともいえるこちらの名作は、孤児院から一家に引き取られた主人公のアンが、島の人々に囲まれながら、だんだんと大人の女性になっていく様子を描いた長編物語です。美しい風景描写やそこで繰り広げられる物語は、もはや児童文学の域を超えた美しいドラマになっています。たくさんの出版社から発行されていますが、村岡花子さんの翻訳で作られた新潮社のシリーズが特におすすめです!
若草物語
アメリカ南北戦争の時代に生きる、4人の姉妹の生活と成長を生き生きと描いた物語で、こちらも女の子のバイブル的作品と言っていいかもしれません。苦しい状況に迷いながらも、前向きで心豊かに生きることの素晴らしさを教えてくれる作品です。女性の自立について考えさせることも多く、多くの人たちを勇気づけてくれる美しい1冊です。
オズの魔法使い
ミュージカルや映像化もされているとても有名な作品なので、知っている方も多いのではないでしょうか。竜巻によって家ごと吹き飛ばされ、見知らぬ世界にたどり着いた主人公のドロシーが、故郷に帰るべく、仲間を増やしながら魔法使いオズに会いにいく旅路を描いています。わかりやすくも深いお話で、読んでいるうちに童心にかえり、前向きになれる、そんな素敵な作品です。
はてしない物語
「モモ」の作者が生み出した別の作品で、映画史に残る名作「ネバーエンディングストーリー」の原作にもなっている物語です。本の中に吸い込まれた主人公バスチアンの冒険を描いています。ファンタジー文学の最高峰とも言える作品で、大人の方でもワクワクできるとっても素敵なお話になっています!何度でも繰り返し読みたい至極の1冊です。
秘密の花園
「小公女」でも有名なバーネットですが、今回はこちらの作品をセレクト!親戚に引き取られた孤児のメアリが見つけた、「閉ざされた花園」を復活させていくお話ですが、それと連動するように、子どもたちの心と体も回復していくのがとても印象的です。自然の力、友達の力を感じさせてくれる美しい物語で、元気が足りないときに読むと癒されること間違いなしですよ!
トム・ソーヤーの冒険
アメリカの作家マーク・トウェインによってつくられた作品で、南北戦争前のアメリカの小さな村を舞台に、魅力的な悪童トムの自由奔放すぎる行動と、友達との冒険が生き生きと描かれています。平凡な日常を楽しむためのヒントが散りばめられた、ノスタルジーを感じさせる名作です。当時のアメリカの様子も味わえますよ!
ハックルベリー・フィンの冒険
こちらはトム・ソーヤーの親友ハックルベリー・フィンと黒人奴隷ジムの冒険の旅路を描いた作品です。何ものにもとらわれることなく自由を求めて生きるハックが印象的で、ハックルベリー・フィン症候群という言葉が生まれるほどインパクトを与えた名著です。DVや黒人差別も取り挙げられていたり、トム・ソーヤーの冒険よりもシビアな現実を考えさせる内容になっています。
あしながおじさん
孤児院で育った主人公のジュディが、毎月手紙を書くことを条件に、匿名の支援者から奨学金を受けて大学に進学するというお話で、胸がときめくようなシンデレラストーリーになっています。日々の生活をつづる手紙がユーモアいっぱいで面白いですよ!ミステリーの要素も楽しめますし、何より、好奇心旺盛でたくましいジュディの魅力に大人でも感化される作品です!
飛ぶ教室
ギムナジウムというドイツの寄宿学校に通う、性格や境遇もさまざまな少年たちの友情と成長の様子、そしてそれを見守る大人たちの温かい愛情を繊細に描いた物語です。大人だからこそ大切なことに気付かされる内容で、現代の私たちも共感できる部分がたくさん散りばめられています。児童文学の名作と呼ばれているのも納得の1冊です!
長くつ下のピッピ
ごたごた荘に一人で暮らす9歳の少女ピッピが巻き起こすドタバタ痛快な物語です。子どもたちの憧れる、自由奔放で型破りな最強ピッピのお話を読んでいると、スッと心が軽くなるような気持ちで笑顔になれます。子ども心が満載ですが、子どもの頃読んだときの印象と、大人になって読んだときの印象が異なる作品かもしれません!
少女パレアナ
ポジティブで前向きな主人公のパレアナは、赤毛のアンに少し似ているキャラクターで、とっても魅力的な女の子です。「どんな苦境でも、その中から喜びを探しだす」というゲームを通じて周囲の人たちや街を巻き込み、みんなを幸せな気持ちにしていきます。誰かにポジティブな愛を送ると、それが自分にも返ってくることなど、常にポジティブでいることの大切さを教えてくれる作品です!
大きな森の小さな家
著者の経験をもとに作られた小説で、「小さな家シリーズ」として知られる作品です。アメリカ開拓時代に、北部の森林地帯や大草原で暮らし、成長していく少女のローラと家族の物語で、今作ではローラが5歳から6歳の1年間を描いています。森での遊びや自給自足など、大自然での丁寧な暮らしぶりが繊細に描かれ、すごく想像力がふくらむ作品です。幸せな気持ちになれますよ!
ムーミン
日本でも人気の愛くるしいキャラクターたちが登場するムーミンシリーズは、フィンランドのトーベ・ヤンソンが生み出した物語で、全9冊からなる長編作品です。実際に原作を読んでみると、温かいストーリーはもちろんのこと、シニカルで辛辣な皮肉などもあり、大人こそ楽しめる深い内容になっています。何度も読み返しながら、ムーミンの不思議な世界を堪能してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。今回は16冊の児童文学作品を紹介しました。
どの作品も、世界中で愛され続けるとっても有名な物語ですよ!
児童文学は世界中で出版され作品数も多いので、どれを読めばいいのか迷ってしまう方もいるのではないかと思います。
そんなときは、タイトルを聞いたことがある有名な作品や、映画やアニメなど映像化されている作品を中心に読んでみることをおすすめします。
穏やかな気持ちで読める癒しの物語や、今の自分の境遇と重ね合わせて読むことのできる物語を探して読んでみると、わかりやすく綴られた児童文学の言葉たちがじんわりと染み込んでくるのではないでしょうか。
子どもの頃に感じたこととの違いを楽しんでみたり、子どもの頃の気持ちを思い出してみたり、児童文学の楽しみ方はたくさんありますよ!
ぜひ自分に合う素敵な1冊を見つけて、心豊かな時間を過ごしてみてくださいね!
それでは今日も素敵なエンタメライフを!
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