クラシック音楽界の偉人たちを題材にしたおすすめ映画8選

年の終わりと年の初めはコンサートや音楽番組などが多く、音楽にふれる機会がたくさんあるので、音楽好きにとっては楽しい時期ですよね！

ロックやポップスから、ジャズ、EDM、さらには民族音楽など、現代では本当にさまざまな音楽ジャンルがありますが、今回ピックアップするのはヨーロッパの歴史と伝統を感じさせてくれる「クラシック音楽」をテーマにした映画作品です。

バッハやベートーヴェン、モーツァルトをはじめ、クラシック音楽界では本当にたくさんの作曲家や演奏者たちが名曲の数々を生み出してきました。

映画では、そんなクラシック音楽の作曲家たちを描いた作品や、指揮者やオーケストラ、バレエダンサーなどに焦点を当てた作品などさまざまありますが、今回はそのなかから、クラシック音楽界の偉人たちの物語を題材にした映画を紹介します。

クラシック音楽界の有名作曲家や、演奏家を題材にしたおすすめ映画8選

私はヴァイオリンなど音楽を学んでいたこともあり、ふだんからクラシック音楽はよく聴きますが、特に年末年始はクラシックを楽しむ機会が多いです。

クリスマスシーズンはチャイコフスキーの「くるみ割り人形」、年末にかけてはヴェートーヴェンの「交響曲第9番」や年越しのジルベスターコンサートなどを楽しみ、新年はニューイヤーコンサート定番でもあるJ.シュトラウスII世の「ラデツキー行進曲」や「美しく青きドナウ」などを必ず聴いています。

さて、今回はそんなクラシック音楽の有名作曲家たちを題材にした映画を8本選びました。

作曲家や演奏家本人を主役にした物語から、身近にいた人の視点で描いた作品などさまざまで、クラシック音楽の世界やヨーロッパの伝統を感じられる作品ばかりです。

皆さんの作品選びの参考になれば幸いです。それでは紹介していきます！

ボレロ 永遠の旋律

監督	アンヌ・フォンテーヌ
主演	ラファエル・ペルソナス、ドリア・ティリエ、ジャンヌ・バリバール、バンサン・ペレーズ、エマニュエル・ドゥボス
上映時間	121分
製作国	フランス
制作年	2024年

「ココ・アヴァン・シャネル」などを手がけたアンヌ・フォンテーヌ監督の最新作で、2024年8月に公開された新しい作品です。ジルベスターコンサートのカウントダウンなど、年末などでもよく聴く名曲「ボレロ」を生み出したモーリス・ラヴェルの人生と、ボレロの誕生秘話を描いています。

第一次世界大戦後のパリを舞台に、スランプに陥ったラヴェルが試行錯誤の末に完成させたこの曲は、まさに「永遠の旋律」と呼べる圧巻の完成度です！演奏シーンも高揚感があるので、私は鑑賞後しばらくの間ボレロを聴いて過ごす日々を送りました。ボレロつながりで、「愛と哀しみのボレロ」という作品もあわせておすすめですよ！

※「愛と哀しみのボレロ」などバレエダンスを題材にした映画を紹介した作品もあるので、こちらもぜひどうぞ↓↓

アマデウス

監督	ミロス・フォアマン
主演	F・マーリー・エイブラハム、トム・ハルス、エリザベス・ベリッジ、ロイ・ドートリス、サイモン・キャロウ、ジェフリー・ジョーンズ、クリスティーン・エバーソール、チャールズ・ケイ
上映時間	160分
製作国	アメリカ
制作年	1984年

今回の記事を書くにあたり、最初に浮かんだのがこちらの作品で、誰もが知っている天才モーツァルトの半生を描いた名作映画です。35歳の若さで亡くなったモーツァルトの謎の死を題材にした舞台劇を映像化し、宮廷音楽家のサリエリ視点から描いています。

秀才サリエリが抱く嫉妬や憎悪が痛いほどに伝わってきますが、それほどまでにモーツァルトという天才が放つきらめきが本物なのだと感じさせます。音楽もミステリー要素も、時代描写なども重厚感たっぷりに味わえる作品なので、時間は長めですが、強くおすすめしたい素晴らしい映画です！

不滅の恋／ベートーヴェン

監督	バーナード・ローズ
主演	ゲイリー・オールドマン、ジェローン・クラッベ、イザベラ・ロッセリーニ、ヨハンナ・テア・ステーゲ、マルコ・ホーフシュナイダー、ミリアム・マーゴリーズ、バリー・ハンフリーズ、ヴァレリア・ゴリノ
上映時間	120分
製作国	アメリカ
制作年	1994年

こちらは、とてつもない才能で数々の名曲を生んだベートーヴェンを題材にした作品です。偏屈ともいわれ、その生涯を独身として過ごしたベートーヴェンが、遺書のなかに残した「不滅の恋人」という文言。この正体が誰なのかを、秘書のシンドラーが探していくというミステリーロマン映画になっています。

あくまでフィクションではありますが、ベートーヴェンの波瀾万丈で苦悩に満ちた人生が印象的に描かれていきます。ロンドン交響楽団による演奏で、ベートーヴェンの美しい楽曲がふんだんに使われているのでそれだけでも十分楽しめますし、ゲイリー・オールドマンの演技も見応えたっぷりですよ！

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト

監督	バーナード・ローズ
主演	デイヴィッド・ギャレット、ジャレッド・ハリス、アンドレア・デック、ジョエリー・リチャードソン、クリスチャン・マッケイ、ヴェロニカ・フェレ、ヘルムート・バーガー
上映時間	122分
製作国	ドイツ・イタリア
制作年	2013年

「不滅の恋」のバーナード・ローズ監督が、イタリアが生んだヴァイオリニストの至宝ニコロ・パガニーニの、波乱に満ちた半生を描いた伝記映画です。「現代のパガニーニ」とも呼ばれるヴァイオリニスト兼モデルのデイヴィッド・ギャレットが主役を務め、5億円以上の価値があるといわれる名器ストラディバリウスで実際に演奏しています。

女性関係やギャンブルなど、奔放で派手な人生を送るパガニーニの狂気ぶりも注目ですが、「悪魔に魂を渡して手に入れた」ともいわれた超絶技巧などの演奏シーンがとにかく素晴らしいです！美しい旋律や速弾きを堪能でき、まさに音楽映画というべき作品ですよ！

ショパン 愛と哀しみの旋律

監督	イェジ・アントチャク
主演	ピョートル・アダムチク、ダヌタ・ステンカ、ボジェナ・スタフーラ、アダム・ヴォロノヴィチ
上映時間	126分
製作国	ポーランド
制作年	2002年

こちらはショパンの母国ポーランド製作の伝記映画です。「ピアノの詩人」とも呼ばれた天才作曲家フレデリック・ショパンと女流作家ジョルジュ・サンドのパリでの出会いと、ともに過ごした9年間にわたる愛の日々、病との闘いを描いています。

革命のエチュードやノクターンなどショパンの名曲の数々が、ヨーヨー・マやオレイニチャク、横山幸雄など名だたる音楽家たちの演奏によって存分に楽しめるのが何よりの注目ポイントです！ショパンの曲は本当に美しい曲ばかりだとあらためて感じさせられますよ！

チャイコフスキーの妻

監督	キリル・セレブレンニコフ
主演	アリョーナ・ミハイロワ、オーディン・ランド・ビロン、フィリップ・アヴデエフ、ユリア・アウグ、ニキータ・エレンヴェ
上映時間	143分
製作国	ロシア、フランス
制作年	2022年

こちらも日本では2024年9月に公開された新しい映画です。19世紀後半のロシアを舞台に、クラシック界の３大悪妻のひとりとして汚名を着せられている、チャイコフスキーの妻アントニーナを主役にした物語で、チャイコフスキーとの生活ぶりや愛憎劇を描いています。

悪妻説に異論を唱えるような構成で、アントニーナ視点から、チャイコフスキーの人間的な問題を感じさせるストーリーなど、報われない愛の行方が描かれていきます。愛や執着とは一体何か、改めて考えさせられますね。映像が美しく、帝政ロシアの時代描写や素敵な衣装なども興味深い映画ですよ！

クララ・シューマン 愛の協奏曲

監督	ヘルマ・サンダース＝ブラームス
主演	アナ・ムグラリス、マッツ・ミケルセン、アナトール・タウブマン、エレーナ・モロゾーワ、ナターシャ・リンディンガー、グリゴリ・モヌコフ、ラシャ・ブコヴィッチ
上映時間	109分
製作国	ドイツ、フランス、ハンガリー
制作年	2008年

「トロイメライ」などで有名な作曲家ロベルト・シューマンの妻であり、7人の子どもを育てながら自身も女性ピアニストとして活躍した才色兼備クララ・シューマンの生涯を描いた作品です。ブラームスの末裔でもある女性監督ヘルマ・サンダース＝ブラームスが手がけ、シューマン、クララ、ブラームスの有名な三角関係を美しく描いています。

フィクションの要素も多いですが、女神のようなクララと若きブラームスが印象的で、ピアノ協奏曲第1番などをはじめ、シューマンやブラームスの美しい楽曲の数々が、3人の物語に合わせて彩られます。「愛の調べ」「哀愁のトロイメライ」などシューマン夫妻を描いた映画もあわせておすすめですよ！

シャネル&ストラヴィンスキー

監督	ヤン・クーネン
主演	アナ・ムグラリス、マッツ・ミケルセン、アナトール・タウブマン、エレーナ・モロゾーワ、ナターシャ・リンディンガー、グリゴリ・モヌコフ、ラシャ・ブコヴィッチ
上映時間	119分
製作国	フランス
制作年	2009年

デザイナーとして名声を得たシャネルと、パリで亡命生活を送る作曲家ストラヴィンスキーの、甘美な恋物語を官能的に描いた作品です。前衛的すぎて酷評されたことで有名な「春の祭典」初演時の大混乱の様子や、香水「シャネルNo.5」の誕生秘話なども描かれています。

2人がお互いの感性を刺激して化学反応を起こしていく様子が印象的で、新しい香水作りや「春の祭典」の再演につなげていくのは、まさに芸術家ですね！主演のアナが身に着けるシャネルのモノトーンな衣装やおうちのインテリアがとても美しく、ピアノを弾くマッツ・ミケルセンも素敵なので、目の保養にもなりますよ！

※若き日のシャネルを描いた作品など、ファッションが素敵な映画を紹介した記事もあります↓↓

映画を観て、クラシック音楽の美しい世界を堪能しよう！

いかがでしたか、今回は8本の映画を紹介しました。

クラシック音楽で後世に名を残した偉人たちの楽曲は、今聴いても、昔聴いたときも、これから何十年後に聴いたとしても、変わらずに素晴らしい曲だと感じさせてくれる強烈な魅力がありますね。

時代を彩ったレジェンドたちの音楽のスゴさをあらためて思い知らされます。

また今回は選外にしましたが、ほかにもシューベルトやラフマニノフ、マーラーなどを描いた作品もあります！

皆さんもぜひ、クラシック音楽に関する映画を観て、音楽の美しさや時代背景、偉人たちの知られざる物語を堪能してみてはいかがでしょうか。

「クラシックは死んだ」ともいわれますが、きっと映画を観たあとには、クラシックを聴いて音楽の海を穏やかに漂いたくなりますよ！

それでは今日も素敵なエンタメライフを！