なぜ歌うの?ミュージカル映画について解説します。

プチ情報

キャストの演技だけでなく、音楽やダンスも楽しむことができるミュージカル映画。
一般的な映画とは異なり、独特な魅力や楽しみ方があるジャンルです。

私のような、その魔法のような演出に魅了される人がたくさんいる一方で、「急に歌い始めるのはなぜ?」と、少し疑問に思っている人もいるかもしれません。

今回は、そんなミュージカル映画の特徴や魅力を解説していきます。

ミュージカル映画とは

ミュージカル映画は、セリフだけでなく歌やダンスシーンを取り入れて、キャラクターの心情を全身で表現しながら物語が進んでいく映画のジャンルのひとつです。

もともとは、無声映画(サイレント映画)だった1920年代、トーキーの発明により映像に音楽をつけられるようになったことで生まれた映画で、それまで主流の娯楽だった「舞台劇」の影響を強く受けています。

舞台ミュージカルはオペラを起源として生まれたものですが、ミュージカル映画にはそうしたいわゆる「演劇」の要素が取り入れられていることも多く、歌い方や動きが特徴的な作品がたくさんあります。

20世紀に数多くの作品が製作されましたが、現在でも、「アナと雪の女王」などのディズニー映画から「RRR」などに代表されるインド映画まで、多種多様な作品が製作され、話題や人気を得ています。

ミュージカル映画の4つの特徴

続いて、ミュージカル映画ならではのユニークで魅力的な特徴を4つに分けて紹介していきます。

印象的な音楽と歌

ミュージカル映画では、ストーリーの進行や感情表現が歌や音楽によって行われています。キャラクターたちが歌を通じて自分の気持ちや状況を表現し、物語が進んでいく流れが一般的です。

印象的な楽曲や歌がとても多く、作品によっては、ストーリーよりも音楽のほうが注目されて話題になることもあります。

そのため、作品自体を観たことがなくても、曲は聴いたことがあるということも少なくありません!
実際にそういう経験をした方もいるのではないでしょうか。

工夫を凝らしたダンスシーン

作品の中では音楽と合わせてダンスシーンが登場することがよくあり、ストーリーの流れやキャラクターの関係性を深めたり、感情をより強調する役割を果たしています。

舞台劇の流れを反映させた華やかなダンスやタップダンス、現代風のダンスやコミカルなダンスなど様々です。

ダンスシーンに参加する人数やシチュエーションなども含めて、それぞれの作品で工夫を凝らしたダンスが、映画全体にエネルギーを与えて、魅力を高める役割を担っています。

舞台のような演出

ミュージカル映画は、先ほど説明したように、舞台演劇の要素を取り入れていることが多く、装飾や衣装、演出の方法などがとっても華やかで楽しいです。

また、歌うときの表情や体の動き、踊り方なども舞台演出のような表現がたくさん見られるのが特徴的です。

最近の作品では、舞台劇の色が強かった1900年代のミュージカル映画のシーンのオマージュになるような場面を取り入れている作品などもあり、ミュージカルの歴史を感じさせてくれます。

映画ならではの映像表現

ミュージカル映画では、舞台ミュージカルでは表現できない映像効果を活用できます。

さまざまなカメラを駆使した多角的な視点やアングルなど、映画ならではの視覚的にすぐれた演出を楽しめます。

またCG、カットや編集によって、より物語に入り込みやすいシーンや幻想的な世界観を表現することが可能です。

ミュージカル映画の種類

ミュージカル映画は、細かく分けていくとたくさんの種類に分類されます。それぞれの種類や題材によって、描かれるテーマやストーリー、アプローチやスタイルなどが異なります。

今回は、代表的な4つの種類を紹介します。

舞台ミュージカルを映画化した作品

ブロードウェイやウェストエンドなど、世界各地で人気の舞台ミュージカルを映画化した作品です。楽曲やダンス、ストーリーなど、舞台の作品と同じものがベースになっています。

代表的な作品としては「レ・ミゼラブル」や「ウエスト・サイド物語」などがあります。

オリジナルのミュージカル作品

その名のとおり、映画のために新しく作られた作品です。すべてがオリジナルの内容になっている作品もあれば、伝記映画のように実在の人物をもとに内容をふくらませて描いている作品もあります。

代表的な作品としては「ラ・ラ・ランド」や「グレイテスト・ショーマン」などがあります。

また最近では、こうしたオリジナルミュージカル映画から舞台ミュージカル化されている作品もあります。

ジュークボックス・ミュージカル作品

ジュークボックス・ミュージカルは、作品のために新たに作られた楽曲ではなく、既存のポピュラーな楽曲を使用して作られたミュージカル映画になります。聴いたことのある曲なので作品に入り込みやすいのが特徴です。

代表的な作品としては、ABBAの曲を使用した「マンマ・ミーア!」や「ムーラン・ルージュ」などがあります。

アニメーション・ミュージカル作品

アニメーション映画として製作されたミュージカル映画です。映像表現の幅が特に広いのが特徴で、現実では再現できない世界観や動きが描かれることが多いです。

代表的な作品としてディズニー作品の「アラジン」や「アナと雪の女王」などがあります。

なぜ歌う?歌とダンスの大きな役割

ミュージカル映画でキャラクターが急に歌う理由と役割はいくつか考えられます。

まずは、喜びや悲しみ、恋愛感情などのキャラクターが強い感情を抱いている場面、重要なシーンなどで歌が使われています。こうした場面では、通常の会話では伝えきれない深い感情や、複雑な思いが歌やダンスを通してドラマチックに表現されます

また、ストーリーの進行と歌が密接に結びついているケースもあります。ストーリー展開に合わせて、歌が登場し、特にストーリーの転機が訪れたときには、それを強調する役割を果たしているのではないでしょうか。

そして歌は、キャラクターの内面を深く掘り下げてくれます。観ている人にキャラクターの人物像やバックグラウンドを伝えることで、より感情移入や共感ができます。

こうしたシーンで視覚的にも聴覚的にも美しい歌やダンスを入れることで、ストーリーの感動や深みが増加します。何より、エンターテインメント性を高めてくれるので、印象的なシーンとして心に強く残るはずです。

最後に、ミュージカル映画は舞台ミュージカルの伝統に基づいていて、歌とダンスは、物語の重要なパーツとして確立されています。舞台の伝統は今後も受け継がれていくので、ミュージカル映画には不可欠なものだと言えるのではないでしょうか。

まとめ

今回はミュージカルについて解説しました。

ミュージカルはやっぱり音楽が何よりの魅力だと思います。メロディや歌詞をじっくりと楽しんだり、歌っているキャラクターの表情などを味わえるのはとても贅沢なことです。

また、背景の美しい舞台美術や衣装を堪能するのも楽しみのひとつだと思います。

個人的には、ミュージカル映画は、本当は舞台のミュージカルを観に行きたい人たちが、劇場に足を運ばなくても、映画という映像を通して楽しめるのが素晴らしいポイントだと思います。

最近はVODで色々な作品を気軽に観ることができますし、映像技術の発達で、デジタルリマスター版で昔の作品を美しく観ることもできるようになっています。

もしミュージカル映画が苦手だと感じる方がいたら、有名な楽曲が使われているミュージカル映画の作品を観ることや、コメディタッチで軽く観れる作品をまずはおすすめします。

また逆に作品全体を通してずっと歌っているミュージカル作品などを見てみるのもいいかもしれませんね。

ぜひお気に入りのミュージカル作品を見つけて、魔法にかけられてくださいね。

それでは今日も素敵なエンタメライフを。

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